はじめに
2026年4月1日付け、前任の大谷哲也先生の後任として、新潟市病院事業管理者を拝命し、兼ねて新潟市民病院長を務めます五十嵐修一です。宜しくお願いいたします。
当院は、新潟医療圏における基幹病院として、1973年の開院以来、救急医療をはじめとする高度急性期医療を担い、地域の皆様の健康を支える重要な役割を果たしてまいりました。現在、医療を取り巻く環境は大きく変化しており、医師の働き方改革への対応、医療人材の確保と育成、物価高騰等を踏まえた健全経営の推進など、課題は山積しております。しかし、そのような中にあっても、地域の基幹病院として高度先進医療の推進に努め、最善の医療を届ける体制を一層充実させてまいる所存です。
当院の理念は「患者とともにある全人的医療」です。
患者さんの身体だけでなく、生活背景や気持ちも含めて支える医療を大切にし、患者参加型の医療を目指しています。この理念を具体化するための、当院の7項目の基本方針を説明いたします。
「患者さんに信頼される、ぬくもりのある医療を提供します」
私たちが目指す医療の出発点は、患者さんの安心です。わかりやすい説明、声かけ、そして相手の立場に立つ姿勢が、信頼をつくります。当院の理念に沿って、全職員が“ぬくもりのある医療”を実践することが、結果として全人的医療の提供に繋がり、高度急性期医療、安全で良質な医療を提供できることになります。
「生命の尊厳と人権を尊重し、高い倫理観をもって医療に取り組みます」
医療倫理と人権への配慮は、すべての医療行為の土台です。当院では倫理委員会の他に、実際の臨床上で生じている倫理的な問題に関して多職種で検討する臨床倫理コンサルテーションチームが活動し、いつでも相談できる体制が整っています。
「重症・専門・救急を中心に、安全で良質な医療を提供します」
当院は新潟医療圏の三次救急医療施設として、重症・救急・高度専門医療を担う高度急性期病院です。救命救急・循環器病・脳卒中センターは50床で、集中治療に対応しています。救急医療は地域の最後の砦であり、受け入れ要請があれば可能な限り対応するという姿勢を大切にしています。さらに、総合周産期母子医療センターでは、24時間体制で母体・新生児医療を提供し、循環器領域や脳卒中領域においては、 低侵襲治療など高度医療の充実にも取り組んでいます。
「他の医療機関などと連携し、地域医療の確保と充実を図り、人々の健康な生活を支援します」
当院は地域医療支援病院として、紹介患者さんへの医療提供、医療機器の共同利用などを通じ、かかりつけ医・かかりつけ歯科医を支援しています。外来は完全紹介予約制を基本とし、患者総合支援センター (スワンプラザ) が中心となって病診連携・病病連携を推進しています。また、地域がん診療連携拠点病院、がんゲノム医療連携病院として、専門的ながん医療の提供、相談支援、情報提供にも力を入れています。
「人間性豊かな医療人を育成します」
当院は臨床研修指定病院であり、「教育研修部」の下に「教育研修室」および「専門研修支援室」を設置し、研修医・専攻医の教育体制を整え、医学生の実習を含めた人材育成を重視しています。専門職としての知識や技能だけでなく、チームの一員として患者さんを支える姿勢を育てることに重点を置いています。
「職員が心身ともに健康で、働きやすく働きがいのある職場をつくります」
医療の質を支えるのは、職員の健康と働きやすさが重要です。医師の働き方改革に対応し、労働時間管理、年休取得の推進、長時間労働への面談などを行っています。また、タスクシフト・シェアを進め、チームとして安全に、無理なく働ける環境づくりを目指しています。ワークライフ・バランス の視点を大切にし、仕事と生活を両立できる職場を全員でつくっていきます。
「公共性と経済性を両立し、持続可能な経営に努めます」
当院は自治体病院として政策的医療を担い、地域の健康と安心を守る責務があります。同時に、限られた資源の中で医療の質を高め続けるため、医療安全、医療の質 評価 指標の活用、経営の視点も含めた、持続可能な病院運営に取り組んでいます。
当院の理念および7項目の基本方針に基づき、患者さんとともに“ぬくもりのある医療”を実践し、高度な診療体制を維持するとともに、安心・安全な医療を提供できるよう尽力いたします。
令和8年4月
新潟市民病院
病院事業管理者 兼 院長
五十嵐 修一